せんぱいっっ!


安達さんと週末にデートをした翌週の月曜日。
経管の先輩たちに、何を聞かれるのかとビクビクしながら経営管理の部屋の前で
IDカードをドアの解錠センサーに近付けられないままに
入るの嫌だな。と躊躇していた。

「『安達さんとエッチしちゃいました』って言ってやれ」
なんて笑ってたけど、そんな事を部の先輩に言えるわけないでしょ!
全く。安達さん面白がってるんだから。

「ひよこちゃん、昨日のデートはどうだったの?」

急に後ろから声をかけられてビクッとして振り向けば
システムのきれーなおねー様で。

いつものように高いヒールで綺麗に笑っていた。

「えっと。あの」

予想もしていなかった後方からの攻撃にうろたえていると
ガラッと開いた部のドアに野口さんと山田さんと楠さんがいて

「あ?高橋。何やってんだよ。聞きたいことがあるから早く入れ」

と私を引っ張った。
前方からの攻撃開始だ!

「ちょっと。私が初めに聞いていたのよ」
「悪いな。高橋は経管なんだ。中で聞くのが筋だろう」
「私、この部屋に入れないのよ?」
「そりゃそうだろう。この部屋は特別な理由がない限り経管以外は入れない。社の規則違反になる」
「じゃぁ、ここで話せばいいじゃないのよ!」
「俺たちはゆっくり座って聞きたいんだよ」
「何言ってんの?安達さんのデートを私も聞きたいのよ」
「なんだ?未練か?」
「未練なんかないわよ」
「3年5か月前に綺麗に別れてるはずだもんな?」
「あんたたち・・・滅びろ!経管!社員のプライベートまで探るな!」
「それが俺たちの仕事なんだよ!」
「滅びろ!」
「システムに帰って安達主任様に聞けばいいだろう」

「ちょ、ちょっと待ってください」
「高橋は黙ってろ」
「高橋、ちょっと待ってて」
「ひよこちゃんは黙っててちょうだい」
「高橋向こう行ってろ」

え?何この人たち・・・

「9時です」

その時、静かに呆れた顔をして部の中から山崎さんが出てきた。
「はい。始業時刻です。先輩たちは今日の仕事の続きを始めてください。
藤田さんもシステムにお帰りください。
安達主任から帰って来いと内線がありましたよ。
それから・・・4人に安達主任から伝言です。
『高橋さんをいじめるとシステムを1つクラッシュさせる』そうです」

「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」

「高橋さん。今日の仕事をデスクに置いといたよ。とりかかって」
「は、はい!」

おねー様はしぶしぶシステムに帰って行った。

「なんだよ~山崎~」
「先輩になっちゃって~」
「おいおいおいおい!本当に探偵君か?」

先輩たちは嬉しそうに山崎さんをグリグリした。

「探偵君が本物の先輩になったお祝いだな!」
「今日は飲みに行こうぜ」
「だな!飲みに行こう!」

先輩たちは、私の事も忘れ、山崎さんをグリグリしながら部の中へ入って行った。


END****




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Commented at 2017-10-06 14:05 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ichigo-ichigo205 at 2017-10-06 14:15
小雪ちゃん
ありがとう~!直した!
「バルス!」は感動する!(笑)
名前を出さないいい方法はないか、考えたけど
どーしてもセリフ的に「おねーさんも」とは言えなかった~(当たり前)
しぶしぶ名前を考えましたよ・・・(笑)
Commented by たま at 2017-10-08 07:57 x
いつも素敵な作品ありがとうございます!
山崎さんが大人になっててときめきました✨美咲さん幸福者ですね。美咲さんになりたい!
とってもときめいて、とっても癒されました✨ありがとうございました。
Commented by ichigo-ichigo205 at 2017-10-08 15:03
たまちゃん
こちらこそいつも読んでくれてありがとう!
山崎君は大人になりました!先輩たちのおかげ?で(笑)
美咲ちゃんいいよね~。私もこのカップル好きです!
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by ichigo-ichigo205 | 2017-10-06 13:06 | ・5センチの景色 | Comments(4)