俺の陽菜

懸賞 2015年 05月 02日 懸賞


今日は横浜ホールディングの広報部と打ち合わせだ。
昼前に終わったら陽菜を誘ってランチに行こう。

そんな風に思って透明のパーテーションで仕切られた
エントランスのソファーで担当者と打ち合わせをしていた。

その時「やったね!あそこの契約が取れたのは大したもんだよ!
正式契約が終わったらお祝いしよう!」と
大きな声で陽菜が年下の部下らしい男とエントランスに入ってきた。

バン!とお祝いついでに男の背中を叩いた陽菜に思わず笑いがこみ上げた。
陽菜らしいな。

そんな俺を見て、打ち合わせ中の若い方の男が
「うちの半田です。男顔負けのイイ仕事をするんですよ。
性格もさばさばしてるし。見た目もちょっとイイ女でしょ?」と
俺に自慢げに話し出した。

その言葉に一瞬きょとんとして、ああ、こいつ俺と陽菜のこと知らないのか。と
「そうですね」と笑いながら返事をしたら

「すみません!」と
同席していたヤツの上司が立ち上がって頭を下げた。

その姿に苦笑して「気にしてません」と、座るように促した俺との会話に
「?」の若い担当者に

「半田と俺は付き合ってるんですよ」と
ニッコリ笑って教えてやった。

陽菜の悪口を言われたわけじゃない。
褒め言葉は、俺と付き合っていると知らなかったんだから本心だろう。

が・・・・
その本心がなんだか気に入らなかった。

午後まで続いた打ち合わせのために
ランチを一緒にできなくて。そのまま帰りたかった俺は
夕方からの打ち合わせをキャンセルした。

いつもより手間暇かけて作った夕飯に陽菜が
「うわ!おいしそう~」
と、満足げに食べる姿に俺も満足する。

「陽菜。今日着てたスーツ。この前一緒に買い物に行ったときのだろ?」
「そう!大川さんが買ってくれたスーツ。評判いいよ」

「俺の選んだ服を着て、俺の選んだ靴を履いて」
「・・・・?」
「俺と同じシャンプーを使って、俺と同じ匂いになる」
「・・・・うん?」
「俺の作ったメシを食べて」
「うん」

「陽菜は見た目も、身体の中も全部俺が作ってる」
「そう・・・だね?」

「髪の毛1本さえ、俺のモノだ」

そう言って、陽菜の髪の一房にキスをした。

「大川さん?」

「他の男が、何と言おうと陽菜は俺のだから」

「何かあったの?そんなこと確認しなくても私のすべては大川さんのモノだよ?」
心配そうに俺をのぞき込む陽菜に
ニッと笑いかけて抱きしめる。

「なにもねぇよ」

昼間のもやもやがちょっと晴れた気がした。



END*****
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by ichigo-ichigo205 | 2015-05-02 08:10 | ・出会いは必然に | Comments(0)

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