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いちごの妄想小説

過保護

「うわ~。晴菜ちゃんがお酒が飲める年になったなんてなんか感激」

高校時代からの友人で教師をしている雄二と飲みに行くのに
晴菜が一緒に行きたいと付いてきた。

この二人は何かと仲が良い。

「雄二君、変なの。私だってもう21だよ」
酒の入ったコップを持ってクスクス笑う晴菜に少し嫌な気分になる。

「俺たちが30だもんなぁ~・・・でも30と言えば男は1番いい年頃だぜ?晴菜ちゃん純の事、心配だろ?」
「え?」
「コイツ、意外とモテるからな」
「!!そうなの!心配!」
「分かる分かる。高校も大学も、なんでか必ず女がいる奴っているよな」
「え?純にぃ、モテてた?」
「そりゃぁ、もう」
「そっか~・・・」

何いってんだ。

「でもコイツ、ロリコンだから。安心しな」
「え!」
「高校時代から絶対小学生だった晴菜ちゃんの事好きだよ」
「え!ほんと?」

「うん。彼女より晴菜ちゃん優先だったもん。
よくそれで彼女に怒られてた♪」
「純にぃ、ほんと~?」

彼女より晴菜が優先だったけど、ロリコンという訳じゃないぞ!

「あ。でも、私大学生になったから純にぃの枠から外れちゃうのかな?」
「ん~?どれどれ?」

と、雄二は身体を反らして晴菜の全身を眺めた。

「だな~。もうロリコンが好きな身体とは言えないな~・・・」
「やっぱり?」

おいおい・・・・

「そっか。私、大人になったから純にぃにフラれちゃうのね」
「そうしたら雄二くんの所へ飛び込んでおいで!しっかり受け止めて慰めてあげるからね」

そういって晴菜に向かって雄二が両手を広げた。

「おい!いい加減にしろよ!
俺はロリコンじゃない!晴菜が好きなんだ!
ちっちゃい晴菜も、大学生の晴菜も大好きだ!
これからOLになる晴菜も、俺の奥さんになる晴菜も全部全部大好きだ!」

力説した俺がふと気が付くと二人は一瞬ポカンとして
次の瞬間に笑いだした。

「でた!久しぶりに聞いた。純も変わってねーな」
「でしょ?ずっとこーやって過保護なの。親より過保護なのよ」
「晴菜は俺が育てた!とか思ってるんじゃねーの?」
「あっはっはっは。確かに純にぃに育てられたかも!じゃぁパパじゃん!」

「パパだな!パパ!」
「純パパ~♪」

「・・・・・お前達さ?3人で飲むの良いけど。俺を肴にして楽しい?」
「「うん!楽しい!」」

「あっそ・・・」

まぁ、いいか。
晴菜が笑ってればそれで良し、だ。


END******
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by ichigo-ichigo205 | 2015-10-01 16:03 | ・9歳差のジレンマ | Comments(0)