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いちごの妄想小説

ビックリ①


「矢野さんは兄弟はいるの?」
「亮って呼んでよ」
「・・・・亮、兄弟はいるの?」
「いるよ。兄貴。結婚して隣に住んでる」
「え?隣に?」
「そう。隣の一人娘と結婚していまだにバカップル!」
「そうなんだ」
「さくらは?兄弟は?」
「姉が一人・・・・」
「へぇ。今度会わせてよ」
「いいけど・・・」
「うん。楽しみ。俺、さくらのお姉さんに気に入られると思う?」
「しつこくしなければ・・・」
「え?なに?なんて言った?」
「ううん。なんでもない」
「善は急げでさ。今度の金曜日、3人で会おうよ」
「金曜日、ですか」
「うん。どこにしようか」
「いつもの、亮の会社の近くの居酒屋さんでいいよ」
「え?あんなところでいいの?」
「うん・・・」


金曜日―――

「さくらのお姉さんに会うの緊張するな」
「・・・・・」

「矢野主任」
「ん?山口と、海外の長谷川さん。キミたちも飲み会?」
「ふふふ。一緒に飲みましょう」
「いや。今日はだめだ。大事な人と飲む約束だから」
「へぇぇぇ~」「へぇぇぇ~」
「さくら、この人たちは会社の人なんだ」
「・・・・」
「あの・・・亮?」

「亮だって!」
「矢野主任のこと亮だって!」
「・・・・・」
「どうした?さくら」
「あの・・・姉のすみれと、よくしてもらっている真樹さんです」
「は?」
「・・・・」

「はぁぁぁぁ?」

「よろしく。さくらの姉のすみれです」
「よろしく。さくらをかわいがっている真樹です」
「・・・・よろしく。さくらとお付き合いさせていただいている、矢野です」
「・・・・・」

「さ、二人の馴れ初めからゆっくり聞かせていただきましょうか!
ね。矢野主任!」
「・・・・」
「・・・・」
「ま、リアルタイムで知ってるけどね」

二人はにやにやと笑いながらビールを飲んだ。
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by ichigo-ichigo205 | 2016-09-03 07:54 | ・横浜発 7:54 | Comments(0)