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いちごの妄想小説

まぁ飲もうぜ

横浜のレストランの様子を見に行くから久しぶりに会わないか?
片桐から、昨日の夕方電話が来て
俺と篠塚は二つ返事でOKした。

久しぶりに来た片桐のレストランは
いまだにピアノにはかぎが掛かっている。

「あれって誰も弾いてないの?」
「あれは奏のためのピアノだからな」
「そっか」
「調律はしてる」

そのピアノは他を寄せ付けないオーラで弾き手を選び、主人を待つ王座のように鎮座していた。

「で?今日は何で呼び出したわけ?横手さんは?一緒じゃないのか?」
「今日は実家に帰した。たまにはゆっくりさせないとな。農家は休みがないから」
「へ~」
「なるほどね」

「なんだよ」

「ずいぶん大事にしてるんだな」
そう笑った俺と篠塚を片桐は軽く睨んだ。

「お前たちはどうなんだよ」

「俺は普通だよ」
素知らぬ顔で、ワインを飲む篠塚に俺が笑った。
「よく言うよ。篠塚、永坂さんといると笑顔が優しいじゃん」
「はぁ?」
「・・・・って、うちの部署の子が言ってた」
「・・・・」
「あんなに怖い人でも、彼女には優しい顔するんですね~。って。
俺聞いたとき、笑っちゃったよ」
俺もワインを飲みほした。

「石島だって、この前うちに来た時に一緒に住むって良いなって酔ってこぼしてただろ?
まだ松元さんは越してこないか?」
片桐がにやにやして聞く。

嫌な奴だよ。
酔った時の話は、その場で忘れろ。

そんな同期ならではの笑い話のあと
片桐が、小さい声で言う。
「大事にしたくもなるだろう。俺には響子だけが大事なんだよ」
「そうだな。片桐には横手さんが似合ってるよ」

「俺も、優しい顔にもなるさ。夢が俺のすべてだもん」
「鬼の篠塚にそこまで言わせるなんてすごいね、彼女」

「俺だって、いつも由香里の空気を感じていたい。でも無理強いはしたくない」
「松元さんには松元さんの仕事があるからな」

「ま、飲もうぜ」
「だなぁ」
「そうしよう」

俺たち3人は、それぞれの彼女に心底ほれ込んでる。
それぞれの彼女に出会えたことが何よりの幸せだ。

「乾杯」

俺たちは何度目かの乾杯をした。


END****

「正解のおまけプレゼント」

「あれ?あのテーブル、ウチの会社の子じゃない?」
篠塚の目線を追うと確かにウチの会社の子だ。
「まあちゃんとHGLちゃんだな」
こちらの会話が聞こえたのか、向こうもこっちに目線を合わせた。

俺たち3人は軽く会釈した2人に笑いながら手を振った。

END****
Commented at 2016-08-06 19:27 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ichigo-ichigo205 at 2016-08-06 19:38
まあちゃん
よくわかったね~!
すごい!そしてありがとう!
これからもよろしくお願いします~☆
Commented at 2016-08-07 22:44 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ichigo-ichigo205 at 2016-08-07 23:22
HGLちゃん
あたり、おめでとう~!
もし、このSSの名前を変えたかったら変えますよ(笑)
いつでも言ってください~♪
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by ichigo-ichigo205 | 2016-08-06 14:47 | ・横浜ホールディング | Comments(4)