初恋

懸賞 2018年 04月 26日 懸賞

ゴールデンウィークの初日
昨日までずっと残業続きだった野口さんと
久しぶりにゆっくりとDVDを借りて来て観ている。

ソファーに座りながらのんびりと観る3本目のDVDは初恋をテーマにした映画で
6時間近く観ていればだいぶ疲れて来て首をぐるりと回した私に
野口さんは小さく笑って
「おいで」
と自分の足をポンポンと叩いた。

え?
膝枕してくれるって事?
それって普通は女の子がしてあげるんじゃないの?
多少の疑問を抱えつつ
それでも疲れた体勢を変えたくてお言葉に甘えて
長めのソファーにごろりと横になった。

「この初恋上手く行くのかな」
野口さんは私の髪をなでながら主人公の心配をする。

「チコちゃん、初恋はいつ?」
「小学生、かなぁ~?」
「そっか」
「野口さんは?」
「ん?俺?チコちゃん」

嘘ばっかり!
「それは嘘でしょう~!」
「本当だよ。嘘はつかない約束だろ」
「大人になって初恋って普通ないでしょ!」

「チコちゃんほど本気になった女の子はいないし。
チコちゃんより前に出会った女の子は全員忘れちゃったよ」

「・・・・」
このオトコは・・・・
たまに聞いてるこっちが恥ずかしくなるようなセリフを恥ずかしげもなく言う。

「俺の初恋はチコちゃんだよ」

そう言って私の手を握って持ち上げて
手首の内側にキスをする。

「超時間見て疲れたな。夕飯でも食べに行くか」
エンドロールが流れているなか
私の頭を膝に乗せたまま、野口さんはう~ん、と伸びをした。

「今日はゆっくりしたから、明日は出かけるか」
GWだからどこも混んでるかな・・・
呟くように、デートの行き先を考え込んで

「ずっと、この部屋でまったりで良いよ」
「ん?忙しくてあんまりデートに連れて行ってやれないから。
連休ぐらい外に行こうぜ」
「疲れてる癖に・・・」
「大丈夫だよ」

「私が、2人きりで過ごしたいの」

下から野口さんの顔を見上げて
そっと笑えば

「ほら。またチコちゃんに惚れなおしちゃった」

身をかがめて上を向く私にキスを落とす。

「いつまでたっても初恋から抜けだせないな」

そういって嬉しそうに笑った。


END*****







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by ichigo-ichigo205 | 2018-04-26 13:34 | ・嘘つきは恋の始まり | Comments(0)

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