願い事

懸賞 2018年 07月 07日 懸賞

梅雨が記録的な早さで明けた7月。
土曜日だって言うのに直哉は相変わらず仕事で
私は一人で買い物に行って、夕飯を食べた。

大して面白くもないテレビを見ていると
ガチャっと音がして玄関のドアが開く。

「葵、いる?ごめん。遅くなった」

大して悪びれもせずに、機嫌のいい声で直哉が来た。

ガサッガサッと音とともに部屋に入ってきて
何事かと思ったら、笹を抱えていた。

「な、なに?」
「七夕」

あぁ・・・今日は七夕か。
大人になって、願いごとをすることもなくなって
七夕というイベントよりも、会社が休みの土曜日のほうが重要になっていた自分に
ちょっと悲しくなった。

「短冊書こうぜ」
「ええぇ?」
「短冊」

短冊・・・ねぇ。

「いいね!」

うん!いい!
子供の頃みたいに願い事を書こう!

サインペンを出してきて
厚手のメモ帳を細長に切った。

何を願おう・・・
直哉と結婚できますように?
直哉とけんかしませんように?
仕事が上手くいきますように?
健康でいられますように?

え・・・

子供の頃は短冊に書く願い事なんかすぐに決まったのに。

私はいざ書こうと思うと、1つに決められなかったし
1番の願い事の、直哉のことは『願う』事とは違う気がした・・・

「何考えてんの?」

う~ん、とうなっていたら、不思議な顔をした直哉がここっちをじっと見ていた。

「願い事、何にしようかな。と思って」

と、いうと、サインペンをクルクル回した直哉が

「何でも好きなこと書けよ」
と笑った。

あぁ。
そうだよね。
願い事だもん。
自分の好きなことを書けばいいんだよね。

「直哉は?何を書いたの?」
ちょっとワクワクして聴いてみた。

「俺?」

ちょっと照れくさそうに自分の書いた短冊を私に見せた。

「葵と明日の日曜日は思いっきりイチャイチャ出来ますように」

「・・・・」
なにそれ

「今の俺の1番の願い」
へ~・・・

直哉は私の呆れた顔を笑いながら、私の身体ごと自分に引き寄せた。

「近頃、なかなか一緒にいられなかったから」
「うん」
「思いっきりイチャイチャしたい」

「だね!」

別に大層な願い事なんかいらない。
直哉と1日ずっと仲良く出来ればそれで充分。

私たちは、キスをした後に、ベランダに笹の葉を飾った。


END****

日本各地の豪雨の被害にあわれたすべての方々に心よりお見舞い申し上げます。





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by ichigo-ichigo205 | 2018-07-07 23:59 | ・恋人宣言 | Comments(2)

Commented by たいにー at 2018-07-08 09:22 x
リクエストに答えて頂いてありがとうございます(^O^)
直哉と葵でしたね。
こちらはひどい雨で1日大変でしたが、直哉と葵は良い七夕が過ごせたみたい。
該当地域の株主の方、本当に安全に過ごせることお祈りします。
Commented by ichigo-ichigo205 at 2018-07-09 13:35
たいにーちゃん
横浜は久しぶりに晴れの七夕でした。
狭い日本のはずなのに、西日本の豪雨と気象がこんなに違うなんて驚きです。
本当に、該当地域の方の安全を祈るばかりです。
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