1 year before

懸賞 2018年 11月 02日 懸賞

「篠塚くん!」
「中村。この前はありがとうな」
「ううん。とっても素敵な式だった!」

先月同期の篠塚くんの結婚式だった。

「片桐くんにも久しぶりに会えたし」
「あぁ、あいつもあっちで頑張ってるよな」

「篠塚、中村!」
「珍しっ。こんなに同期が廊下で会うなんてめったにないよね」

石島くんもたまたま通りかかった。

「篠塚、素敵な式だったよ」
「石島もありがとうな」
「奥さんもきれいだったよね~。私達より4つも下なのよねぇ」
「中村・・・お前今の彼氏と結婚するつもり?」
「今フリーだもん」
「はぁ?また別れたのかよ」
「またって何よ」
「まただろ?」
「うるさいな!」

「お前、仕事忙し過ぎだろ?」
「・・・」
「中村よっぽど俺達よりデカイ仕事やってんじゃない?」

これは、篠塚くんと石島くんが私をからかう常套句になってる。
私の仕事が忙し過ぎて彼氏にフラれるからだ。

その時、
「篠塚さん、この書類なんですが」
確か、経営管理部の・・・岡本くん、だっけ?

書類の記入の仕方を篠塚くんに聞きに来た。
「あぁ、それで良い。書き終わったらPDFで俺の社内メアドに送っといて」
「はい。失礼します」

ちらっとこちらを見て丁寧に頭を下げて離れて行った。
「経管の岡本くんだっけ?」
「あぁ。あれは上に行くぞ」
「へぇ。篠塚くんがそう言うなんて珍しいね」
「プロジェクトの予算の動かし方で分かるんだよ」
「ふ~ん」

改めて岡本くんの背中に視線を投げかける。

「あーゆー男と付き合えば?」
「年下はイヤよ」
「なんで?」
「婚期が遅くなるから」
「年下じゃなくても遅くなるような気がする」

篠塚くんと石島くんにからかわれて
3人で笑いながらその場を離れた。

同期で話すのは楽しい。

経管の岡本くんか・・・・

その時の岡本くんが翌年、同期より1年早く主任に出世して
篠塚くんが
「ほらな」
と、ちょっと自慢げに飲み会で話した翌日、
私は岡本くんが率いるプロジェクトの専任秘書に辞令が出た。


END*****








by ichigo-ichigo205 | 2018-11-02 14:27 | ・約束のピンキーリング | Comments(0)

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