人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログトップ

いちごの妄想小説

またね♪

「三浦さん!白浜にパンダを見に行きたいです!」

派遣の仕事から帰って来て夕飯を作りながらテレビを見ていたらすくすくと育ったパンダの赤ちゃんの映像が映っていて
公開が始まったという。

わ~!なになに!上野よりもパンダが多い!
見に行きた~い!
赤ちゃんパンダ見たい!

と、帰ってきた三浦さんにおねだりしてみた。
「あぁ、アドベンチャーワールドかぁ」
「そうそう」
確かそんな名前だった!

「分かった。また白浜へ行こか」

え・・・・?
また?
またって言った?
またって何?

私、白浜へ行くの初めてなんだけど。
他の・・・元カノと間違えてるの?

「今度の日曜日にしよか?」
「やっぱりいぃ・・・・」

他の人と行った思い出と間違えている場所に行きたくない。

「でも、パンダの赤ちゃん見たいんやろ?」
「いい。今度横浜に帰った時に上野に行く・・・」

少し拗ねた私を三浦さんは後ろから抱きしめた。
「なに拗ねとぉん?日曜日に一緒に行こ?な?」
「やだ」
「急にどうしたん?」

優しく顔をのぞかれて
「一緒にずっと暮らして行くのに、思ったこと言わんと息が詰まるって。」
そう促す三浦さんに小さい声で告白する。


「私は白浜へ行ったことないよ・・・」
「うん。だからまた行こう、って」
「だから!その『また』って、なに?私は初めてなんだってば!」

「あ~・・・・・もしかして」
「なに?」
「『また』って方言?」
「え・・・」

三浦さんは苦笑いをして私を抱きしめた。

「ん~『また』って1度も行ったことなくても
今度行こう、って意味あいでも使うから」

「1度も行ったことがなくても?」
「うん」
「そう、な、の?」
「うん。俺、アドベンチャーワールドに行くの子供の時以来やもん」

そう言って私を安心させるようにニカッと笑った。

「そうなんだ。ごめんなさい」
「1つ1つ。今みたいに正直に話してお互いに誤解を解いて行こな」
「はい」

「で。正直に言うと今の話で1つだけムっときた言葉があるんやけど」
「え?」
「横浜に『帰った時』って言ったよなぁ?」
「あ・・・」
「これは方言でも何でもないやんな?まみちゃん?」
「・・・」

「真美ちゃんにとってまだ『帰る』のは横浜なん?」

目に見えるようにシュンとした顔をして
今度拗ねているのは三浦さん。

「ふふ。横浜弁ですよ。遊びに行くって意味です」

そう嘘をついて三浦さんの頬にチュッっとした。

「ふ~ん。今回は騙されてやる」

私たちはキッチンで熱い熱いキスをした。

END****


おまけ****

「ほな、今度の日曜日に一緒に行こうな」
私が真似をした関西弁を

「何それ」
と 三浦さんは笑った。

「私も三浦さんのまねをして関西弁をしゃべってみました」
「あ~。真美ちゃんめっちゃ可愛い!」


名前
URL
削除用パスワード
by ichigo-ichigo205 | 2019-02-13 01:37 | ・素肌のままで | Comments(0)