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例え・・・

懸賞 2016年 07月 12日 懸賞

高校時代から付き合った博之と、それから大学まで同じ学校で。
就職が決まって初めて、お互いに会わない時間が多くなることに気が付いた。

「春からあんまり会えなくなるね。
毎日会っていたのに会えなくなるってなんか不安」

そう心配した私に
「会社帰りに待ち合わせしよう。
休日はいつものようにデートすればいいだろ」
博之はそう笑い飛ばす。

「ねぇ。会社に可愛い子がいても浮気しないでよ」
真面目に言ったのに、
「そっちもな」
笑いながら相手にしない。

すっかり博之の家族にも認められて。
「ご飯食べて行く?」
なんてお母さんに声を掛けられて。
きっと私たちはお互いに就職に落ち着いたら結婚するんだろう。

そんなことを思いながら博之の部屋で、
テレビを見る彼の背中に寄りかかりながらファッション雑誌をぱらぱらとめくる。

「何心配してるのか知らないけどさ」
博之がテレビから視線を外さずに静かに話しだした。
「え?」

「俺、ナツとは結婚するつもりだから」
「う、うん」

結婚はするだろうな。と思っていた付き合いだけど
はっきり言葉に出されたのは初めてだ。

「例え世界が滅んでも、ナツを好きな気持ちは変わらないよ」
「世界が滅んでも?」
「ああ」

「そっか。なんか嬉しい」
「なんだよ。なんかって」
そう言って博之は小さく優しく笑った。

例え世界が滅んでも―――

ずっとずっと好きでいてね。
ずっとずっと愛してね。

私も、世界が滅んでもずっと博之を愛してるから。


END***











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by ichigo-ichigo205 | 2016-07-12 14:39 | ・朝凪ーあさなぎー | Comments(0)