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いちごの妄想小説

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サイドストーリー

カテゴリ:・永遠の番い( 2 )


人間の50年はきっと悟には一瞬に思える事だろう。

1千年をいい加減に生きてきたと言っていた。

それでも私に出会った3年間は毎日毎日、大切に生きてくれたように思う。

50年たった今でもあの3年間を思い出して生きている。

あの3年間が私と悟の全てだった。

悟の子を産んで、大事に大事に育て上げた。

あなたは人間ではないと小さい頃からそれとなく教えて伝えて
それでも成人するまでは半信半疑だった。

今目の前にいる50歳になる私の息子は
見た目は20代の青年にしか見えない。

「これから先、950年を有意義に過ごして。
たった一人の花嫁を見つけなさい」

その若い頬に手を伸ばす。

自分のしわくちゃになった手に悟と別れた年月を感じる。

「一人にさせてごめんなさいね」

悟は一人の時間をどんなに寂しく思った事だろう。
その寂しさを息子に味あわせたくないと思っていただろうに。

結局私も人間だ。
そろそろ天寿を全うする。

悟に恋い焦がれ
悟だけを愛し
悟の忘れ形見を大事に育ててきた。

その人生も終わろうとしている。

霧となった悟にあの世で会えるのだろうか。

「来世では、普通の人間の親子として会いましょう」

息子は静かに泣いていた。

あなたが天寿を全うする950年間
私は、そっと転生を願って待っているわ。

悟。
あなたが自分の弱さと象徴した息子は
私の強さの象徴でした。

あなたの思い出だけを抱いて人生を全うしました。

ありがとう。
来世でも、永遠の番いに―――


END****










by ichigo-ichigo205 | 2018-10-11 15:19 | ・永遠の番い | Comments(2)
出会った時から、後自分に何日残されているのか必死に思いだした。
100年ないのは100も承知で
50年あるかさえ分からなかった。

自分の残された時間が正確に3年あまりだと分かった時
数え間違いじゃないかと何回も何回も数え直した。

一千年生きて来て・・・
自分の寿命はどうでもよかった。
1年なんて恐ろしい程いい加減に過ごし
あっという間に過ぎ去っても残りの時間を考えるとうんざりした。

これほど、時間が大事だと思ったことはない。

3年間あらゆることを考え尽くした。
いったいキミにどうすれば、キミが1番幸せなのか。

何も言わずに立ち去ることなのか
子供を残して全てを打ち明けることなのか
全てを打ち明けて立ち去ることなのか。

どちらにしても辛い選択をキミに強いる事になる。

許してほしい。俺の弱さを。

いっそ貴女を食い殺してしまいたいよ―――

そのまま、俺の血となり肉となり、最後の日に一緒に霧となればいい。

キミを愛してしまった、俺の弱さを許してほしい―――




by ichigo-ichigo205 | 2017-10-18 15:25 | ・永遠の番い | Comments(10)